OECD(経済協力開発機構)
経済の安定成長と貿易拡大に努め、発展途上国援助の促進と調整を図る国際機関です。
最高機関は理事会で、閣僚級の代表が集まる閣僚理事会と常駐代表会議があります。OECD(Organization for Economic Cooperation and Development)は、規制制度改革に関する報告書の採択などを行っており、こうした動きが我が国の電力制度改革議論に影響したとの見方もあります。
電力については、1996年5月のOECD閣僚理事会で規制制度改革の重要性が再確認された後、1997年5月の同理事会で「発電部門での競争をより有効なものにするため、送電部門から発電部門を構造上、あるいは機能上分離すべき」と言う旨の文言が盛られた報告書が採択されました。その後、日本の電力分野について、OECDによる規制制度改革審査(蒸気報告のフォローアップ)、IEA(国際エネルギー機関:International Energy Agency)の国別詳細審査が1998年に実施され、1999年3月に電力規制制度改革に関する最終報告が出されたほか、2001年4月の理事会でも「規制産業における構造分離に関する勧告」が採択されました。同勧告では、独占的部分(ボトルネック)と競争的部分とを併せ持つ垂直的に統合された企業による競争制限的行為を排除し、競争を維持・促進するための政策アプローチとして、垂直統合企業の統合と分離のメリット・デメリットを比較し、分離について真剣に検討することを促しています。
OECDの報告書や韓国においては、「もっとも適切な政策は産業ごと、国ごとに異なる」との指摘がありますが、「OECDが垂直分離を勧告」など単純化して紹介されることも多いです。