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電子レンジに入れて良い容器はどれ?陶器やガラス製、プラスチックは使用していいのか?

電子レンジは簡単に、火を使わずに温めができる便利な家電です。皆様の中にも毎日のようにお使いの方もいらっしゃるでしょう。

しかし、火を使わなくても高温になることは同じですので、食品と同じく容器にも注意が必要です。

またマイクロ波を使うことも併せて、使用できる容器は限られたものとなっています。

何も考えずに便利だからといって電子レンジで加熱すると、容器が溶けたり変形したり、ときには火災の原因になることもあります。

それでは、電子レンジで使うことができる容器はどのようなものなのでしょうか。これから説明していきましょう。

電子レンジで使える容器、使えない容器

なお、ひびや傷があるもの、装飾等一部でも金属が使われている容器は例外なく使用できません。

1.電子レンジで使用可能な容器

以下の容器は電子レンジで使用することができます。

・陶器、磁器

・耐熱性ガラス容器

・耐熱性プラスチック容器、耐熱性ラップ
※耐熱温度が140℃以上のもの。砂糖や油分の多い料理等、高温になる食品には使えません

2.電子レンジで使用不可能な容器

以下の容器は電子レンジで使用することはできません。

・ひび、傷のあるすべての容器

・耐熱性のないガラス・プラスチック容器、ラップ

・金属製品(装飾等、部分的に金属を使用しているものも含む)

・漆器、竹・木・籐・紙製品

電子レンジで使える容器と使えない容器の違いを見分けるには

その容器がどのようにして製造されるか、また電子レンジは庫内でマイクロ波という電磁波が飛び交うところという2点をポイントに考えると、わかりやすいでしょう。

陶器

例えば、陶磁器は窯の中で1000℃以上の熱で焼かれて作られます。水が沸騰する100℃はもとより、多くの食品が発火する400℃程度の熱でも燃えません。

金属製の容器

また金属はマイクロ波を反射し火花が飛び、この火花が火災の原因となります。1本の鉄線でも事故につながることがありますので、電子レンジでの使用は止めましょう。

漆器等の木製品や紙製品

漆器等の木製品や紙製品は炭素が多く含まれており、このため電子レンジに入れると焦げや発火の危険があります。

ガラス、プラスチック製品

ガラスやプラスチック製品についてはさまざまな製品があり、それぞれ耐熱温度が異なります。これを一般の消費者が1つ1つ覚えることは困難です。

このような製品には「電子レンジ用」「電子レンジの使用可」または「電子レンジで使う際の注意」の表示の有無で見分けましょう。

この表示が無い場合や使用不可の表示がある場合は、電子レンジでは使わないようにして下さい。

使用すると、容器が変形したり穴が開く等の事故につながることもあり、実際に事故の報告例もあります。


上記してきたように電子レンジの仕組みと、容器の特徴を両方踏まえることでそれぞれの容器に対してい以下のような対応方法が考えられます。

陶磁器はヒビや傷がない限りは大丈夫!

もともと高熱で焼かれて製造される製品ですから、ひびや傷が無い限りは使えます。

但し、金属が製品の一部に含まれている場合は火花が飛ぶため使えません。表面の装飾に金属が使われている程度であっても同様です。

ガラス容器は表記に注意

家庭用品品質表示法により、電子レンジで使用できるガラス容器には「電子レンジ用」の表記がされています。この表示がある製品は120℃以上の温度差に耐えられる製品です。

「電子レンジ用」という表記のないガラス製品は電子レンジで使わないようにしましょう。

なお、電子レンジで使用できるガラス容器には「耐熱ガラス製器具」または「超耐熱ガラス製器具」(400℃以上の温度差も可)の表示もされています。

プラスチック容器

電子レンジで使用可能な容器については、「電子レンジの使用可」または「電子レンジで使う際の注意」の表示がされていますので、まず表示があるかどうか確認しましょう。

また、電子レンジで使用できない旨の表示がある場合は使えません。

電子レンジで使用可能なプラスチック容器については、以下のように定められています。

プラスチック容器、3つの使用基準

1)日本工業規格 プラスチック食器類(JIS S2029:2002)により、電子レンジで使用できる容器は表示耐熱温度が140℃以上(「4.2 区分」で定義)

2)家庭用品品質表示法により、以下の事項を表示する

・電子レンジ用として使用できないものについては、電子レンジで使用できない旨を記載

・電子レンジで使用できるものについては、その使用形態、内容物に応じ注意すべき事項を記載

3)家庭用品品質表示法により、耐熱温度の試験において「機能の異常又は著しい変形が生じた温度-10℃」を耐熱温度とする。

上記3)の定めにより、耐熱温度を10℃上回ると容器が変形する等の異常が起きる可能性があります。

中身が水であれば100℃以上になりにくいものですが、油の場合は通常の調理においても180℃という温度はよく見られます。

耐熱温度が何℃なのか、その記載にも注意しましょう。

食品の包装容器のまま温める場合

この場合は、包装に以下の内容が記載されています。書かれていない場合、電子レンジでの調理は止めましょう。

・加熱に電子レンジを使用できるか否か

・電子レンジで加熱可の場合は、出力ワット数毎の加熱時間、その他調理上の注意(包装に切れ目を入れる、ふたを開ける等)

まとめ

電子レンジで使用可能な容器は意外と少なく、以下の3種類に絞られます。

電子レンジ使用可能な容器
・陶器、磁器

・耐熱性ガラス容器

・耐熱性プラスチック容器、耐熱性ラップ

このうち、ガラス容器やプラスチック容器・ラップについては、耐熱温度も確認する必要があります。

中に入れる食材や食品の温度が何℃まで上がるかも考えなければならないためです。

例えば、油を多く使った料理であれば陶器・磁器の利用や、耐熱温度200℃以上の容器を使うことも考えなければならないでしょう。

その点、陶器や磁器は高温で熱せられて作られることもあり、熱には強いものです。迷ったら陶器・磁器に入れて温めるということを頭に置いて電子レンジを使うと、容器を破損したり事故に遭ったりすることも少なくなるでしょう。

いずれにしても電子レンジで温めをする場合は、容器の表示もよく確認の上で利用するように心がけましょう。

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参考:
一般社団法人 日本電機工業会「オーブンレンジ・電子レンジ 安全/正しい使い方」/東京都生活文化局消費生活部「電子レンジの安全な使用に関する調査報告書」/パナソニック「電子レンジNE-EH229取扱説明書」/有限会社フィンテック「物質の引火点・発火点」/新潟大学「市販の電子レンジを利用した金属溶解装置の試作とその応用」/東海大学工学部電気電子工学科「在学生による電気電子工学技術の紹介と実験」/ノリタケ大倉陶園磁器洋食器(ノリタケチャイナ等)の製造工程/硬質陶器洋食器(アーズンウェア等)/消費者庁・家庭用品品質表示法「ほうけい酸ガラス又はガラスセラミックス製器具/日本工業標準調査会「JIS規格詳細画面・JIS S2030耐熱ガラス製食器」/消費者庁・家庭用品品質表示法「食事用、食卓用又は台所用の器具:台所用容器等」/消費者庁・家庭用品品質表示法「食事用、食卓用又は台所用の器具:皿等」/日本工業標準調査会「JIS規格詳細画面・JIS S2029プラスチック製食器類」/日清オイリオ「揚げる油の温度」