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IHとガスコンロの違いは?IHのメリットとデメリットについて

今やかなりの家庭に普及したIH。気になるけど、ガスコンロとどう違うの?メリットとデメリットって何なの?そんな今更聞けない、IHに関するさまざまな情報をまとめました。

今更聞けない!でも気になる、IHってどんなもの?

IHとは「induction heating」の略で、「電磁誘導加熱(でんじゆうどうかねつ)」とも呼ばれます。ガスコンロのように直火ではなく、内部の金属に電流を流し、調理器具自体を発熱させる方法のことを言います。

IHの歴史

IHは1971年にアメリカで発表されたのがはじまりです。その後、1974年に日本で始めての電磁誘導加熱調理器が発売されます。この当時は使える鍋の材質が限られており、とても実用的とは言えないものでした。その後研究を重ねて、アルミや銅でも発熱できるように改良。1999年に「IHクッキングヒーター」の名前で売りだされると、IHは徐々に有名になっていったのです。同じ原理で「IH炊飯ジャー」なども商品化され、高温で一気に炊き上げるため美味しいと人気を博しました。

どんな仕組み?

IHはガスや火を一切使用せず、電力で動きます。それによって火事の心配が大幅に軽減されました。不完全燃焼や立ち消えの心配もなく、安全性が高いことが大きな特徴です。では、IHはどんな仕組みで発熱するのでしょうか。

IHクッキングヒーターのトッププレートには、うずまき状の「磁力発生コイル」がとりつけてあります。そこに鍋をのせることでうずを巻くように電流が流れ、鍋の材料との抵抗で「ジュール熱」が発生します。これによって、鍋底そのものが発熱するのです。さらに温度センサーで鍋底の温度は管理され、電流は自動で調整してくれます。

このため熱効率が非常に優れており、立ち上がりもはやく強い火力で使うことが可能です。またボタンひとつで安定した温度を保てるのがメリット。スープなどの液体を加熱するのが得意です。一方デメリットとして、フライパンを使う際には加熱ムラが出来やすいことが挙げられます。

IHとガスコンロの違いを徹底解説!

調理に使える素材・形状の違い

ガスコンロでは、どんな素材の鍋でも使うことができます。一方、よく店頭で「IH対応」と表示されているのを見かけませんか? 残念ながら、IHでは使える素材は限られているんです。IHで使えるのは鉄やステンレス、ホーロー鍋などです。一方苦手な素材は土鍋・耐熱ガラス・アルミや銅の鍋となっています。

また、トッププレートに鍋底が密着せずに浮いてしまうため、中華鍋も使えません。トッププレートの直径より鍋が小さすぎても使用不可となっています。

加熱状態や火力の見やすさ

ガスコンロは、火の大きさがはっきりと目に見えてわかりやすいです。弱・中・強などが感覚だけでも操作可能となっています。一方IHでは、天板についている液晶で火力や加熱状態を判断します。ボタンひとつで切り替えられるので簡単ですね。

掃除の簡単さはIHの勝ち!

IHのメリットのひとつに、掃除の便利さがあげられるでしょう。凹凸がなくフラットタイプのため、拭き掃除だけでお手入れは終了。ガスコンロには鍋を受ける「ゴトク」がある分、どうしても掃除がしづらくなっています。ただし、ガスコンロでも最近はガラストップ・フラット天板が増えてきているようです。

安全性はそれぞれにデメリットも

ガスコンロは火を使うため、やはり火事の可能性がネックです。最新のガスコンロならセンサー機能が充実しているものの、 お子様が使う場合などはちょっと心配。ガスコンロに比べて、IHでは炎が出ない分火事になりにくいのがメリットと言えます。しかし、調理後の天板は高温になっており、うっかりさわると火傷の恐れがあるので注意が必要です。

販売価格の違い

ガスコンロは一口で5千円~、二口以上で1万円~と、比較的お求めやすい価格設定となっています。一方IHは、卓上タイプなら8千円~、二口以上で3万円~と、ガスコンロに比べると高めです。

IHを検討している方へ!そのメリットとデメリットについて解説

IHのメリット

1、火を使わないので安全

やはりIHといえば、一番のメリットはこれでしょう。年配の家族の火の消し忘れや、調理中にまわりのものや着衣に火が燃え移る危険もありません。

2、お手入れがラク

フラットの天板は、調理のたびに拭き掃除をするだけでOK!ガスコンロだとゴトクがある分億劫に感じる掃除も、IHなら手軽に続けられます。

3、火力が強く、立ち上がりがスピーディー

IHの熱効率は90%と非常に高くなっています。鍋底だけに集中して加熱するため、ガスコンロに比べるとムダがないのです。

また1~9までの段階で火力を調整できますが、7~9の「強」にするとお湯が沸くのも本当にあっという間で驚きます。ボタンひとつで、保温ならごく弱火、めん類などをゆでるなら中火、さっと炒めるなら強火と簡単に切り替えることができます。

4、保温機能がある

ガスコンロでじっくり煮物をする場合、ごく弱いとろ火で放置するのは消える心配もあり危険ですよね。意外と役立つのが、IHの保温機能です。80℃に保ってくれるため、スープや煮物の鍋をかけたままでも焦げることもありません。

5、光熱費が安くなる

IHにすると電力が高くなるイメージがありませんか?4人家族で朝昼晩一般的な食事量で調理をした場合、1ヶ月の電気代は1020円というデータが出ています。

ガスを使って調理をするより、電力調理のほうが総合的に安くなる可能性が高いのです。

IHのデメリット

1、停電時には使用できない

災害時には電力はまだまだ弱いです。電気が回復するまでの間は、むしろ火を使うほうが活躍しそうですね。

2、使える素材が限られている

「IH対応」と書いている鍋なら大丈夫ですが、土鍋やアルミ製など、意外と対応していない素材も多いです。また、鍋底が平面かつトッププレートのサイズより大きくなければいけないという制限もあります。

3、鍋振り調理は不可

鍋底をトッププレートにつけている必要があるので、強い火力での炒め料理など、ガスコンロのときと同じ調子というわけにはいきません。ただし、最新式は光センサーがついていて、鍋振り可能な機種も出てきているようです。

まとめ

IHとガスコンロの違いについてまとめました。IHにはガスコンロと比べてさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットもあります。その両方を踏まえた上で、本当に自分に合ったものを選びたいですね。