ICT社会に潜むリスク
サイバーセキュリティの重要性
ICTの高度化に伴い課題となっているのがサイバー攻撃です。
サイバー攻撃とはインターネットなどのネットワーク上で悪意のある第三者(ハッカー)が不正侵入、情報の流出、システムの破壊を狙って行う攻撃を指します。
代表的な攻撃としては、ネットワークやそれを構成する機器に不正なデータを送信して、トラフィックを増大させ、システムをダウンさせてしまうと言うDoS(Denial Service)攻撃などがあります。サイバー攻撃を受けたシステムは機能損失に陥り、ユーザーや企業に対してさまざまな損害を与えます。
したがって、このような攻撃からシステムを保護するサイバーセキュリティの確保は、高度情報化社会における企業の事業継続において極めて重要なファクターとなります。
これはスマートコミュニティにおいても同様の事が言えます。
消費者情報のハッキング
スマートコミュニティではユーザーのシステムと情報の集約・解析を行うコントロールセンターのシステムが通信回線(ネットワーク)で接続されており、このネットワークを経由して電気を安定供給するための情報や個人情報なども交換しています。
システムやネットワークのセキュリティ対策が弱いと、ハッカーは情報の閲覧や改ざんが容易にできてしまいます。情報が改ざんされるとユーザーへの電力供給停止や広域の大停電を引き起こすなどのリスクが想定され、スマートコミュニティ内のエネルギー供給や各種機器の動作に支障を及ぼすことになります。
スマートコミュニティは高度なICTによって支えられており、サイバー攻撃を防ぐためのセキュリティ対策が大変重要となります。
しかし、ハッカーによるサイバー攻撃を100%防ぐことのできるセキュリティ対策は残念ながらありません。
つまり、サイバー攻撃による脅威やシステムの脆弱性を分析してセキュリティ対策を継続的に講じていくこと、セキュリティ事故が発生した時の対処法を確立しておくことが、リスク低減のために必要となってくるのです。