5Gで大きく変わる、セキュリティの意味は大きく変わります。
2020年の実用化を目指して進められている新しい通信技術・5Gは、これまでの4Gでは1Gbpsだったものが、5Gでは20Gbpsと大幅な速度アップとなります。
ユーザーが体感する実効速度では、既存の4G LTE(30Mbps程度/電波状況による)の100倍は出ると言われています。
参照:マイネ王
単に通信速度が上がることにとどまりません。
今までよりも多くの情報を送信できることから、広範囲の監視が可能となったり、家電がIT化したりといったことが可能となります。
これはセキュリティ対策の対象が広がることを意味していますから、セキュリティ対策の内容も大きく変わることが見込まれます。
特に私達一般市民にとっても、大きな意識改革が求められます。どのように変わり、どのような心構えが必要なのか、解説していきましょう。
5Gについて詳しく当サイトの
5Gでは4Gの100倍の速度に!!スマホが必要でなくなるも未来も!
4Gと5Gの違いは? 早くなるだけではない進化が待っています。
をご覧ください。
5Gで防犯が進化する!
5Gでは、大容量のデータをほぼリアルタイムで送ることができます。このため、いままでできなかったような防犯対策も可能となるでしょう。
1.犯罪につながる行動を事前に検出・抑止する
5Gにより、今までよりも多くの情報をほぼリアルタイムで送ることができます。
この特徴は、警備の現場でも現地の様子を手に取るようにわかるため、十分に生かすことができるでしょう。
某アニメの様に、予めコンピュータに対し、犯罪につながりうる行動を学習させることによって、犯罪が発生する前から該当箇所を重点的に監視することができます。
警備員の配置により犯罪を抑止したり、犯罪発生時にも速やかな身柄の確保につなげることができるでしょう。
また機械警備の場合においても、スピーカーから警告の音声を流す等により犯罪抑止につなげられる可能性があります。
また、警備員にウェアラブルカメラを装着させることにより、警備員の目の前の風景を防災センター等の施設でも確認することが可能になります。
指示を出す際にも警備員の目線に沿って「○○さん、左前の×色の服を着た人を見ておいて」などという指示が出せるかもしれません。
現地の警備員とセンターでダブルチェックすることにより、警備の質が上がり、防犯に役立てることが期待されます。
2.2次元から3次元の警備へ
これまでの警備は地面や床を歩く人や車に対しての警備が中心であり、地上での対策が主体でした。
しかし、これからは脅威は空からもやってきます。
ドローンはその代表的なものです。
5Gではより多くの情報を同時に送信できる特徴を生かし、監視カメラをより高所に設置することができます。
高い場所にカメラがあればその分情報量は多くなりますが、空中からの飛来物に対する監視も容易になります。
このため、これまでの地上を中心にした警備に加えて、空への対策もより行いやすくなるでしょう。
情報セキュリティは国民の必須知識へ
5Gでは、情報セキュリティについても格段の注意が必要です。
これまでITについて関心の無い方でも、興味がないからといってセキュリティについて学ばないことは、自らの生活を危険にさらすことにつながりかねません。
この点について、解説していきます。
注意点1 家電がIT機器になることで、全世界からアクセスされる可能性がある
みなさんはIoT(アイオット)という言葉を聞いた言葉をありますか??
家電がIoTに対応するということは、家電がスマホやパソコンと同じIT機器になることを意味します
既にIoT化している家電で代表的なのが、「外出先からスマホで管理するルンバ」や「自動で食材を管理してくれる、しゃべる冷蔵庫」です。
詳しくは当サイトのしゃべる家電!!IoTって? そもそも読み方は?何が出来るようになるの?をご覧ください。
5GとIoTは直接関係は無いものですが、5G技術の導入によってインターネットに同時につながる機器数は増えますから、IoTの後押しとなります。
このことにより、あなた自身にも大きな影響があります。
これまでの家電にもコンピュータが内蔵されていますが、それは家電機器内で完結するものでした。
Wi-FiやBluetoothなどの通信機能を持たない限り、外部との情報をやり取りしない訳ですから、外部からウィルス等も侵入しようがなかった訳です。
ところが家電がIoTに対応すると、ルータ等の通信機器と情報のやり取りができるようになります。
外部からの侵入者がルータを越えて自宅内のネットワークに侵入してくると、ここに接続されている家電にも悪さをしかねません。
例えば、防犯カメラの画像を見られたり、洗濯機が勝手に動き出すなどの被害が考えられるでしょう。
現在スマートフォンではセキュリティソフト等で対策を取ることが推奨されていますが、家電のIoT化が進むことで、スマートフォン以外にもIoTに対応した家電が増えることになり、またこれらに対してセキュリティ対策を施すことが必須となります。
注意点2.情報セキュリティ対策は生活の上で不可欠の知識に
5GとIoTにより便利さと引き換えに、情報セキュリティ対策についての知識を身に着けることが、生活していく上で不可欠の知識となります。
IoT対応の機器はインターネットとつながっている訳ですから、セキュリティ対策を十分に施さなければ、安全・安心に使うことができません。
このような社会では、難しい、興味が無いからといってセキュリティに関心を持たないことは、生活上困ることになります。そのため、興味のあるなしに関わらず、積極的に知識を得ることが求められるでしょう。
もっとも、家電やセキュリティ業界においても、安全にセキュリティを施す方法をなるべくわかりやすく説明する努力が求められます。
自宅のセキュリティはどう変わる?
5GになりIoT社会になったとき、大きく変わるのは自宅といえるでしょう。生活していく上で、さまざまな点が変わります。
その中でも、セキュリティ面については以下のような変化が考えられます。
注意点1.物理的な侵入とインターネットからの侵入への対応が必要
現在の自宅のセキュリティはドアや窓からなど、外部からの侵入を防止することが主眼です。
そして情報セキュリティ対策は、インターネットにつながりうるIT機器に対して個別に適用していることが実情でしょう。
これは、ほとんどの機器がインターネットにつながっていない現代では合理的な方法です。
しかし多くの家電がインターネットに接続するようになる将来では、これまでのようにはいきません。インターネットからの侵入対策は、物理的な侵入対策と同じような重要性になることでしょう。
現在、大手機械警備会社は建物への侵入がないか常時監視し、侵入が疑われる場合は緊急出動する運用が行われています。
情報セキュリティにおいてもルーター等の機器を常時監視し、進入が疑われる場合は回線を切断すると同時に利用者のスマートフォンに連絡する、といったサービスが主流になるかもしれません。
2.高齢者や介護が必要な方でも安心して生活可能に
5Gにより自宅がIT化されることは、面倒なことばかりではありません。
特に高齢者や介護が必要な家庭では、強い味方となることでしょう。
5Gの短時間で今までよりも格段に多くの情報を送るという特徴は、自宅で一人暮らしをする高齢者の様子を見守ることにも応用できます。
とはいっても、人がずっと監視している必要はありません。
例えば、普段の行動パターンを警備会社のコンピュータ自身で学習させておき、いつもと違った動きをしたら即座にコンピュータが検知して警備員の出動につなげるということも可能になるかもしれません。
また要介護者のいるご家庭では、部屋にカメラを設置しておき、家族やホームヘルパーが随時様子を確認して適宜必要な対応を取ることも可能となるでしょう。
状況を把握してから対応できるので無駄もなく、十分な対応につなげることができます。
まとめ~これまでの常識にとらわれない考え方が必要~
ここまで、5Gに関する防犯と情報セキュリティについて解説してきました。
技術の進化は便利なサービスも生みますが、同時に新たなセキュリティ対策も求められる場合があります。
家電のIT化によるセキュリティへの対応はこの典型例であり、IoTに関する重点テーマでもあります。
特に消費者の意識改革も強く求められることも特徴といえるでしょう。
セキュリティ対策が必須となる以上、「とりあえず動けばOK」という考え方ではいけません。
不正な侵入を受けて家電に被害を受けることにないよう、情報セキュリティに関する知識は国民が等しく持っているべきという内容となりそうです。
また5Gの大容量かつリアルタイムな通信は、新しいサービスの提供も可能にします。空への警備も容易にすることや、高齢者や要介護者へのサービスへの応用が考えられるでしょう。
セキュリティはとかく面倒に感じられるものですが、一方で新しいビジネスチャンスでもあります。
少しの心構えをすることで便利な生活をすることができますから、積極的に関心を持つことが必要です。
また新しいビジネスも続々と出てきますから、これまでの常識にとらわれない考え方も必要となるでしょう。