原子力発電所の縮小が進んでいる中現在注目を浴びているのが、「再生可能エネルギー」です。風力発電もそのうちの一つです。風力発電のメリットは二酸化炭素などを排出しないのはもちろん、燃料が風であるために燃料の輸入が必要ないのもあり、経済性が高いなどのメリットがありますが、騒音問題や、風車の刃(ブレード)に鳥が巻き込まれることがある、などのデメリットもあります。
そんなデメリットを解決した「完璧な?」風力発電機をスペインのベンチャー企業「Vortex Bladeless」が開発しているようなので、今回はそれを少し紹介したいと思います。
風力発電設備の新しい形
風力発電機といえば、大きな羽がついているものが一般的ですが、今回Vortex Bladelessの作った風力発電機はなんと羽がなく、バットのような形をしたものなのです。この風力発電機に風が当たると、空気の渦の力でバットの上部が大きく揺れ、それにより下部に設置されている2枚の反発する磁石が上下に動き、電力を発生させるという仕組みになっています。
現在は高さが6メートルのプロトタイプでテストを行っていて、2016年には発電能力が4kWで高さが12メートルの新しい風力発電機が発売される予定です。発電能力が小さいので、家庭や小規模な会社での利用を想定しています。
この風力発電機のメリットとしては、従来の風力発電機に比べて、電力1kWhあたりの発電コストが40%も低くなる、設置コストの低下、風車の回転による騒音や鳥の衝突がない、また構造が細長いので狭い場所にも設置可能などがあります。
新しい風力発電機の開発にとって「再生可能エネルギー」の導入に拍車がかかることを期待したいですね。