需要サイドの市場が最もダイナミックに発展をする、と言う予想から、この分野での具体的なビジネスの内容について考察する前に、需要サイドの市場の歴史的な流れを振り返りましょう。
ESCO
ESCOと言う次のようなサービスがあります。
・顧客の建物の省エネルギー性を診断する。
・照明などの設備を省エネ性の高いものに交換する。
・原則、ESCO事業者の負担で省エネ設備への交換を行う。
・エネルギー消費量のモニタリングを行う。
・省エネ設備への交換によって削減されたエネルギーの費用の一部を料金として受け取る。
・約束しただけの省エネが出来なかった場合、ESCO事業者が保証する。
・顧客は資金負担なしに省エネ設備への更新が出来る。
ESCOは、もともと電力会社が需要を抑制することで発電所などの稼働率を向上するための取り組みとして始まりました。
しかし、リスクなく省エネ設備への更新が出来る秀逸な仕組みが故に、代表的な需要サイド・ビジネスとして普及しました。
ESCOは、とくに2つの点で画期的なサービスでした。
省エネにより削減されたエネルギー費の中からサービス料を支払うようにしたこと
需要家の側から見ると懐を傷めずに設備を省エネ型に変えることができ、ESCO事業者側から見ると、自らサービスビジネスの原資を捻出することが出来ます。
もう1つは、
省エネ保証を契約として「見える化」したこと
省エネのサービスは昔からありましたが、「省エネが出来た、出来ない」と言い合いになる事も少なくありませんでした。ESCOでは気温や設備の稼働率などのパラメーターを使用しエネルギーの消費量の算定式を作り、契約で明文化することで納得感が高まりました。
需要サイド・ビジネスの歴史・2へと続きます。