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電力自由化が実施されることとなった契機

東日本大震災を契機にした、一連の電力不足事件

2011年3月11日、東北大震災が発生し、福島第一原子力発電所事故が起こりました。
これにより、今まで福島第一原子力発電所で賄われていた電力が一気に失われ、日本は深刻な電力不足に見舞われました。
電力不足を補うために、政府が計画停電をはじめとした様々な施策を行ったのはみなさんご存じのとおりです。

この一連の流れの中で、従来の発電の仕組みのままでは「安定供給」が脅かされる可能性が認識されました。

上記の出来事から以下2つの教訓が導き出されます。

集中型電源(一か所に発電所が集中していること)依存のリスクの高さ

日本国内の電力会社は、集中型電源を採用していることが多いです。
東日本大震災のように、集中型電源を採用している状態で、電源集中している個所が大規模なダメージを受けた場合、電力供給が大幅に減少します。

地域独占は安定供給に対して不利に働く可能性

日本は電力供給のために地域独占体制を敷いています。
これにより、各電力会社は自社の管轄地域(詳しくは~参照)以外の地域に大量の電気が送りづらくなります。
大震災が起きた当初、日本全体で言えば、福島文の不足電力を十分賄うことが可能だったが、地域独占体制のために、東北地方に電力を送ることができませんでした。
結果、計画停電等の各種対応をとるはめになりました。

これらの教訓が、電力自由化に踏み切るきっかけとなりました。
次回、電力自由化の目的と合わせて、なぜこれらの教訓から電力自由化が選択されたのか、に関しても記載したいと思います。

電力自由化実施の理由と、その目的

参考:高橋洋(2011) 『電力自由化 発送電分離から始まる日本の再生』 日本経済新聞出版社