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配電線から屋内配線までの電気の流れ

配電

■屋内配線とは何か

発電所で発電され、送電線を経て送られてきた電気は、いよいよ需要地に到達すると、配電変電所で高圧の三相3線式の6,600ボルトの電圧に下げられ、架空配電線路を通り柱上変圧器に輸送されます。需要地点で6,600ボルトの高圧を200ボルトまたは100ボルトの低圧に下げる変圧器を柱上変圧器といいます。

屋内配線というのは、住宅、ビル、工場などで電気を使用する場合、配電線路から電線を引き入れて建物の屋内に施設した電線路のことです。

建物の屋内配線に使われる回路は、電源の供給方式によって、①単相2線式100ボルト②単相3線式100 ・ 200 ボルト③三相3線式200ボルト④三相4線式240 ・ 415 ボルトなどがあります。

引込線というのは、配電線路の柱上変圧器などの支持物から分岐して、需要場所(家屋)の引込口までの電線のことです。

 

■配電線路の特徴

配電線路は、直接需要家(電力を消費する地域、場所)に電力を供給することを目的としているので、ほかの電力設備に比べて次のような特徴があります。

 

①一般に電線路は短く、電圧は低い。

②負荷は分散していて、常に変動している。

③電気設備の多くは消費地にあり、規模が小さいが、数量は膨大である。

④設備故障による人身事故などの防止を十分に考慮しなければならない。

 

■配電電圧の区分

配電電圧は、低圧、高圧、特別高圧に区分されています。標準電圧は低圧で100・200 ボルトまたは240・415 ボルト、高圧で6,600ボルト、特別高圧で22キロボルト、33キロボルトが一般的となっています。 100・200 ボルトは一般家庭に供給され、240・415 ボルトはビルや工場などの屋内配線に使用されています。なお、100・200ボルトのように2つの電圧が併記されるのは、各配電電源がコンセントの取り方次第で2種類の電圧を使えるためです。

 

■低圧配電力式での電力供給の特徽

①単相2線式:線数が2本と少なく100ボルトを配電します。古い住宅に多く、工事や保守が簡単ですが、電圧降下や電力損失が大きいので小容量の負荷の場所でのみ使用されます。

②単相3線式::1線を接地して中性線として使用し、100Vと200Vを配電することができます。単相2線式に比べて経済的に優れています。

③三相3線式:工場など動力を使う場所で用いられている配電方式です。

④灯動共用三相4線式:電灯負荷に対しては単相3線式、モータなどの動力負荷に対しては三相3線式として供給できる便利な方式です。

 

■人の体を電気の逃げ道にしてはならない

日本で、家庭に交流の電気が配電されたのは、1889年(明治21年)でしたが、当時は接地線は使用せずに変圧器が使われており、それでも安全だろうと考えられていました。

ところが1901年(明治34年)、大阪の肉屋の店員さんが感電死する事故が起き、この原因が変圧器によるものであることが判明したのです。ちょうど、事前に台風がきて激しい風雨による漏水がもとで、電柱の変圧器が絶縁不良を起こし、それによる混触事故が生じたためでした。この事故を受けて、柱上変圧器の低圧側電路を接地する法的規定ができたのです。