電力比較・切り替えサイト:energy-navi

相次ぐ脱原発案 電力大手9社で株主総会

電力 株主総会

株主は脱原発姿勢

沖縄電力を除く電力大手(通称:一般電気事業者)9社で25日、一斉に株主総会が開かれました。

株主総会では全社で原発再稼働の反対案や撤退を求める株主提案が提出されましたが、全て否決されました。

各電力会社は株主に対し「安価な電力を安定供給するためには原子力発電所の再稼働は不可欠である」と強調し、現在の原発ゼロからの脱却を急ぎます。

原発ゼロの元となった福島第一原発事故を引き起こした東京電力の社長、広瀬直己氏も「安全対策を確実にして原発を続けたい」と株主に理解を求めました。

電力会社が原発再稼働を急ぐ理由

発電コスト

一つ目は、原子力発電の発電コストが比較的安価で済むためです。

石油を燃料とする火力発電と比べると、およそ1/3まで発電コストが抑えられます。

それは先日東北電力が原発再稼働延期によって年間670億円のコスト増になると発表したことからも伺えます。

東北電力、原発再稼働延期を決定 電気料金はどうなる?

それほど、原発再稼働は電力会社の発電コストに影響を与えるということですね。

原発の維持コスト

原子力発電所はその構造上、簡単に解体することもできないため安全に維持する必要があります。

その維持費用が問題となってくるのです。原発は稼働していなければ、何の利益も生むことなく多額の維持、メンテナンス費用だけがかさんでしまいます。

 

以上の二点が、電力会社が原発再稼働を急ぐ主な理由です。

この原発ゼロ状態が続けば、電力会社の赤字も増え電気料金の値上げにも繋がっていくでしょう。

しかし、原発再稼働のためには原子力規制委員会による事故防止や事故に対する対策を定めた「保安規定」の認可が必要となります。

原子力発電所の安全が確保されるまで、電力会社は厳しい経営を強いられることとなりそうです。