電力比較・切り替えサイト:energy-navi

発電機の仕組み

発電

私たちの暮らしを支える電力は、現在、そのほとんどが発電所でつくられています。そして、発電所内で電気をつくる機器が発電機です。

発電機

磁石の中で導線を動かすか、コイルの中で磁石を動かすと、導線あるいはコイルに電流が発生します。

この現象を応用してつくられたのが発電機です。

直流発電機

身近な発電機の例に、模型用の小形モータを手で回して豆電球を光らせるしくみがあります。

模型用のモータは、磁石の間に置かれたコイルが回転する構造になっています。このコイルを手で回すと、電磁誘導の法則でコイルに電流が流れます。この電流を整流子からブラシ電極で取り出して、そこに豆電球をつなぐと電球が光ります。

模型用モータから発生する電流は、同じ向きに流れる波形を描くので、このモータは直流発電機と呼ばれます。

交流発電機

いっぽう、発電所や工場などの発電機では、構造を簡単にするために、コイルを固定して電気の取り出し部のブラシ接触をなくし、磁石をコイルの中に置いて磁石のほうを回転させる回転界磁型構造の発電機が採用されています。

また、発電所のように大電流を起こさなければいけない発電機では、永久磁石よりはるかに大きな磁力が必要となるため、回転磁石には電磁石が利用されます。

この回転界磁型発電機から取り出される電流は、周期的に流れる向きが変わる交流波形を描くので、交流発電機と呼ばれます。。

なお、発電所で利用される発電機は、磁石の回転エネルギーから効率よく電力を取り出せる、三相交流発電機が用いられます。

三相発電機

回転界磁型発電機では、回転する磁石の回転(運動)エネルギーを、電磁誘導作用でコイルに流れる電流に変換して電気エネルギー(電力)を取り出します。

このとき、コイルの数を3つに増やし、それぞれを120度ずつ位置をずらして配置したものが三相交流発電機です。

コイル1つで1系統の電力を取り出すより、3つのコイルを置くことで、1つの回転子磁石の回転エネルギーから3系統の電力が取り出せるため、発電効率をよくできるメリットがあり、発電所の発電機にはこの三相交流発電機が用いられます。

また、三相交流発電には、電気を送る送電線の本数が3本ですむことや、工場などでモータを回すときに必要になる回転磁界がつくりやすいことなどのメリットがあるので、発電にはうってつけなのです。

三相交流

発電機で起こした電気を電力として利用するには、発電機から消費地に電気を届けるための電線と、電気を発電機に戻すための電線の2本が必要です。

つまり、3系統の電力を起こす三相交流発電では、それぞれ2本ずつ6本の電線が必要になるはずです。しかし、実際の電力送電では3本の電線しか使われていません。

この理由は、三相交流発電機の出力波形を見ればわかります。

コイルが120度ずつずれて配置されているため、ある時点での3系統の電流の合計値は、常にゼロになるのです。

ですから3系統(6本)の電線のうち、戻りの電線3本を1本にまとめると、その電線に流れる電流の合計はゼロになります。

電流が流れないのなら電線は必要ありませんから、結果として3本の電線で三相電気は送れることになります。

電線の数が減らせることは、送電コストを下げる上で大きなメリットになり、発電所で三相交流発電機が用いられる大きな理由になっています。