大手電力会社から送配電部門を独立させる。
発送電分離って何?
発送電分離とは、「発電と送電を分離すること」です。
発電所で作った電気を家庭や工場など消費者に届けるためには、送配電設備(電線、変電所など)が必要です。
現状、大手電力会社はそれらすべて(発電設備と送配電設備)を所有し、管理しています。
発送電分離後は、送配電設備を大手電力会社から切り出し、すべての新規参入事業者が利用できるようになります。これを実現させることが検討されています。
なぜ発送電分離をするの?
どの新規事業者でも平等に電力事業に参加できるようにするためです。
電力事業を行うためには、発電設備、送配電設備が不可欠です。
新規事業者が発電設備を持っていても、送配電設備を一からまた作ると金銭的にも、時間的にも大きなコストがかかります。
そういった非効率を避ける目的で発送電分離が検討されています。
どのように発送電分離は実現されるの?
「法的分離」という方法がとられることなると思われます。
上の文でも触れたのですが、大手電力会社が送配電に係る部署と設備を、新しい会社として切り出し、独立させる方法です。
これにより、表面上はどの事業者にたいしても中立な立場の管理者が設備を扱っているため、送配電設備は誰でも平等に使うことができるものと思われます。
しかし、この送配電会社は、あくまでも従来の大手電力会社の子会社のような立ち位置になります。
そのため、結局は大手電力会社が、自社に都合の良いように利用価格等を設定する可能性も指摘されています。
そのような事態を避けるためにも、今後より制度を煮詰めていく必要があります。
今回は、発送分離と、それがどのような形態で行われるのかについて紹介しました。ご理解いただけましたでしょうか。発送電分離が行われることで電力自由化が健全に進んでいくことを期待しましょう。