生活パターンの変化を促すデマンドレスポンス
デマンドレスポンス(DR)とは
デマンドレスポンス(DR)とは、電力の過不足に合わせて、リアルタイムに近い形で時間帯ごとの電気料金を変化させるシグナルなどにより、需要家の行動変化を通じ、需要抑制や電力ピークをシフトするものです。
米のDR利用
DRは特に米国で重要視されており、一部の電力市場などで取り組みが進められています。米国は日本と違い、電力会社が発電会社から電気を買って、それを需要家に小売するシステムで卸売価格は変動します。そのため、仕入れ価格と需要のバランスをコントロール出来るDRに力を入れているのです。
日本での利用検討
日本においても再生可能エネルギー導入が拡大した場合、需要のコントロールが必要となるため、実証などによりピーク時間帯に電気料金が高くなるような仮想的な料金を設定する事で料金に対するデマンドレスポンス効果を検証しています。
具体的には、需要家は料金プログラムに応じて、料金が高い時間帯にエアコンの使用を控え、他の時間帯に使用できる家電機器を安い時間帯に使用するなどの行動による電力シフト効果を指します。また、HEMSなどにより制御可能な「スマート家電」との連携により、自動で電力消費を抑えるようなことも検討されています。
DRの普及に向けて
家庭におけるデマンドレスポンスを進めるためには、需要家がより参加したくなるインセンティブをどのように設定するかが重要となります。また、家庭内のどの家電機器を制御対象とするか、HEMSなどと協調を含めどのように最適設計・制御するかなどを検討し、それに応じたシステムを開発し、スマートハウスにおける実証なども行う必要があります。さらには、電力会社の供給信頼度の向上に貢献するような、系統運用と強調した実施方法の検討・実証も今後必要となります。
このように、需要家が積極的にデマンドレスポンスへ参加する事で、よりいっそうの電力の有効活用が可能になるのです。