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火力発電の仕組み・2

火力発電

火力発電の熱サイクルと発電効率

火力発電所では、ボイラ内で加熱して得た蒸気を、さらに過熱器で高温高圧(過熱蒸気)にして蒸気タービンに働かせます。

その後、排気した蒸気を復水器で冷却し、これをポンプで再びボイラに給水します。このように繰り返されるサイクルを熱サイクル(またはランキンサイクル)といいます。

また、このように火力発電所は、熱エネルギーを機械エネルギーに変換するために蒸気を使用することから、とくに汽力発電所と呼ばれることがあります。

 火力発電の変換効率

火力発電の効率は、もし熱のエネルギーがそのまま生きれば100%となるのですが、熱のエネルギーをタービンの回転という機械のエネルギーに変換するため、ボイラ、タービン、発電機を経て取り出される電気のエネルギー効率は、40%程度になります。

そのため、電気で沸かすお風呂はありません。この理由は、発電の効率が40%程度では割が合わないからです。

石油を燃やして電気をつくり、その電気を熱にしてお風呂を沸かすなら、最初から石油でお風呂を沸かしたほうがよいに決まっています。

ただし、電気炊飯器はお風呂に比べれば熱量がずっと少ないので、便利さを優先して広く使われています。

 蒸気のもつパワーを高める工夫

火力発電では蒸気をつくりタービンを回しますが、この蒸気のエネルギーを大きく高めなければ、タービンを力強く回転させるだけのパワーは生まれません。

そのため火力発電では、蒸気のパワーを高めるための設備が設けられます。

水を加熱すると、水は沸騰して蒸気になります。

このとき蒸気のもつエネルギーは、蒸気の温度が高いほど大きくなります。

では水をどんどん加熱すれば蒸気の温度が上がるかというと、そうはなりません。水が沸騰する温度は、いくら加熱しても全部の水が蒸気になるまでは一定で変わらないからです。

ただし、水が沸騰する温度は圧力が高いほど高くなります。

たとえば、私たちが暮らす地上(1気圧)では、水は摂氏100度で沸騰しますが、富士山の頂上では気圧が低いので摂氏80度で沸騰してしまい、米を炊いても生炊きになってしまいます。また、水が沸騰したときに発生する蒸気は細かな水滴を含むため、湿り飽和蒸気と呼ばれます。蒸気中に水滴が含まれていると、吹き出す蒸気の速度が落ち、タービンに水滴が付着すると回転ロスが発生します。

発電所では、高圧で発生させた高温の蒸気をさらに過熱器で過熱して、乾蒸気、そして過熱蒸気と呼ばれる高エネルギー状態に変化させてタービンに吹き付けます。

最近の大型発電機でつくられる蒸気の温度は摂氏600度、圧力は30MPa(メガパスカル:300気圧)ほどの強力なエネルギーをもっています。

タービンに高速で吹き付けられた高温高圧の蒸気は、膨張して圧力が下がり、排気口付近では真空に近い低圧(約0.05気圧、流速は音速の2倍)になります。

この極端な圧力の低下分のエネルギーが、タービンの回転エネルギーに変わり、発電機で電気エネルギーに変えられます。

次の記事火力発電の仕組み・3へと続きます。