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火力発電の仕組み・1

火力発電

火力発電の設置場所

火力発電所は海の近くにあります。というのも、火力発電で使う燃料は化石燃料(石油、石炭、液化天然ガスなど)で、そのほとんどが外国から船で運ばれてくるので、海に近いほうが好都合なのです。また、発電所では冷却用にたくさんの水を使います。海の近くなら海水が冷却に使えるので、海の近くに造られているのです。

火力発電所の設備構成

火力発電がどんなしくみになっているか、順を追って説明しましょう。

①燃料とバーナ

火力発電所で燃料を燃やす設備がバーナです。燃料には、固体、液体、気体の3種類があります。

固体燃料は石炭です。石炭は微粉炭にしてバーナで燃やします。

液体燃料は石油で、代表的なものは重油です。重油には炭素、水素、硫黄などが含まれており、発熱量は石炭に比べてかなり高くなります。

気体燃料は天然ガス(LNG)です。 LNGは-162℃で液化され、タンクに貯蔵されます。液体にすると、硫黄や一酸化炭素が取り除かれるため、石油などよりもきれいな燃料になります。

LNGはガス化して燃料として使いますが、石油に比べて発熱量はさらに大きくなります。

②ボイラ設備

ボイラは、バーナの燃焼熱で蒸気を発生させる設備です。ボイラ内の水管に水を流して蒸発させます。

③過熱器

ボイラでつくった蒸気をさらに過熱して、高温度で高い圧力をつくります。

④蒸気タービン

発電機の電磁石を回す動力を生み出すために設けられた鉄の羽根車がタービンです。

過熱器を通過した蒸気でこのタービンを回転させますが、羽根に当たる蒸気の力を大きく受けるために、羽根車を数段から数十段も置いて、次々に蒸気が当たるように造られています。

⑥復水器

蒸気タービンで使われた蒸気は捨てられずにこの復水器に送られ、海水などで冷やされて水に戻されてもう一度ボイラ内の給水として送られます。

⑥節炭器

ボイラの関連設備の一つで、煙道を通過する排気ガスの余熱を利用してボイラ給水を加熱します。こうすることによって、ボイラの効率を高めています。

この6つの設備から火力発電所は構成されています。

次の記事に続きます。火力発電の仕組み・2