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水力発電所の種類と特徴・2

水力発電

サージタンクと水圧管路の構羅

ダム式発電所では、ダムでできた貯水池の水を水圧管を通して水車に落として水車を回転させますが、貯水池と水圧管の間には水槽(サージタンク)が設けられています。

この水槽は、水の衝撃を和らげたり、水車が無理な運転状態にならないように調整する役目をしています。

また水圧管路には伸縮継手が設けられていて、水温や気温の変化のために生じる管の伸縮を吸収する働きをします。

そのほかに、水圧管内部の圧力を制御するための空気弁や制水弁、水圧管の端末部には、水車に流す水量を調節するための水車入口弁が設けられています。

 

水流を効率よくつかまえる水車設備の種類と特徴

水力発電所の水車は、高速度で流れ込む圧力の高い水のエネルギーを機械のエネルギーに変換させるためのものです。水車には衝動水車と呼ばれるタイプのものと、反動水車と呼ばれるタイプのものがあります。衝動水車の代表はペルトン水車で、反動水車の代表はフランシス水車です。

 ペルトン水車

ペルトン水車の構造は、おわん状のバケットに水を噴き付けて、その衝撃でランナを回転させて発電機を動作させます。

ペルトン水車は、落差が150 m程度以上の高さをもち、水圧管を流れる水量がそれほど多くない発電所で用いられます。

ペルトン水車では、水車の回転速度を一定に保つ調整機として、水の噴き出し口(ノズル)でニードルを抜き差しして水量を制御するしくみが設けられています。

フランシス水車

ケーシングという渦巻き形の管からランナに水を導く構造をもつのがフランシス水車です。ランナ人口から入った水の反動で水車を回転させます。

そして水車の回転速度は、ガイドベーンという案内羽根を開閉して、ランナに入る水量をコントロールして一定に保ちます。

フランシス水車は構造が比較的簡単で、保守がしやすく、放水路までの落差を上手に利用できる特徴があり、40~400 m程度の中落差の発電所に多く使用されます。

 

水車の付属設備

水車には、水車の回転速度を一定に保つための調整機(ニードルやガイドベーン)のほかに、入口弁も発電を制御するためには重要な設備です。

人口弁は、水圧管から水車へ水を取り込む人口にあり、水車を運転する際には全開し、水車を停止する際には閉じて水を遮断します。