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水力発電所の種類と特徴・1

水力発電

水の利用法の違いで発電方式が分類される

水力発電の方式は、水の利用の仕方によって大きく3種類に分類されます。

水路式(流れ込み式)

河川など、自然の水の流れをそのまま発電に使う方式です。

発電所の建設費は安くすみますが、河川の流量が多いときは余った水は捨てることになります。

また、ふだん河川の水の中には土砂が含まれているため、これが水車を傷つける原因になるので、取水口から導水路に入る前にプール状の池(沈砂池という)を設け、ここで流れの速度を下げて土砂を沈殿させて取り除きます。

 ダム式

水路の途中に調整池やダムをつくり、そこにためた水を放水して発電に使う方式です。

最も小規模なものは、調整池式で、水路に調整池と呼ばれる池をつくり、ここで水量の調整をしながら発電します。

貯水池式と呼ばれるものは、調整池よりも規模が大きく、水量が豊富で電力消費の少ない春先や秋などに貯水しておき、冬や夏の季節変動による電力増加に備えます。

貯水ダム式は大規模な発電用で、発電だけでなく、治水対策としての利用も合わせもちます。

 揚水式

1日を通して電力の需要が多いのは昼間で、深夜には需要が少なくなります。

そのため火力発電所や原子力発電所の利用が下がる深夜などに、これらの発電所の余った電力でポンプを運転して、低い位置(下部)にある貯水池から高い位置(上部)にある貯水池に水をくみ上げておき、昼の電力需要が大きくなったとき、発電量を応援する機能を備えた発電方法です。

一般にわが国の大きな規模の水力発電所は揚水式が中心となっています。

その規模の平均的な一例として、利根川を利用している栃木の今市水力発電所があげられます。

今市水力発電所は有効落差524メートル、発電出力105万キロワットです。1世帯3キロワットとして約35万世帯をまかなう電力を発電することになります。