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欧米の周波数事情

周波数事情

明治時代の日本に影響を与えた欧米の、電力周波数に対する事情はどうだったのでしょうか。

欧米の周波数

1895年にナイヤガラの滝を利用した世界最初の大規模な水力発電所が完成し、長距離送電が開始されましたが、このときの周波数は25Hzが使われました。

それまでは、高いほうは133Hzから低いほうは25Hzまで、8種類ほどの周波数が使われていました。
その理由は、電気機械の設計者が白熱電球、変圧器、誘導電動機など、その機械ごとに最適な周波数を選んで、発電機からの電気を使っていたからです。

交流で点灯する白熱電灯は、133Hz付近がちらつきを減らすためには都合が良いと考えられていましたが、
反対に変圧器や誘導電動機は、あまり周波数が高いと製作が難しくなるなどの問題を生じていました。

また、ナイヤガラ滝の発電所では、長距離に送電するには周波数が高いと送電線の損失(電圧が下がる)があるので、
低い周波数を採り入れようと高速度タービン発電機が開発されたこともあり、60Hzを供給しようとされました。

ドイツでは50Hz

ドイツではもともと50Hz付近の周波数を使っていたので、それほど問題なく50Hzを周波数の基準に決めました。
イギリスではロンドンを中心にさまざまな周波数が使われ、標準化しようという動きは遅かったのですが、
第一次世界大戦後になって都合が悪くなり、統一する動きが出て50Hzを標準周波数とすることになりました。

結局、アメリカでは60Hzが、ヨーロッパでは50Hzが電力の標準周波数となって現在に至っています。