東京電力が発表した27年9月中間連結決算が中間期として最高益を記録した。前年同期比で50.4%増の3651億円で3年連続の経常黒字を確保しました。
燃料費の下落が主な要因
原油やLNG(液化天然ガス)の価格下落で燃料費が約4300億円減少したことが主な要因と言えます。
柏崎刈刃原発の再稼働は?
東京電力が収益安定化の柱と考えている原発の再稼働についての動きは鈍いです。柏崎刈刃原発がある新潟県の泉田知事は再稼働に厳しい姿勢崩していませんし、近隣住民などの理解も必要になり、本年度の再稼働は難しいと考えられます。
東京電力は原発再稼働で、原油やLNGなどの燃料費に左右されることなく、安定的な収益基盤を確保したい思惑があり、今後も再稼働についての動きには注視が必要です。
自由化に向けた動き
2016年4月に開始が予定される「電力小売り全面自由化」。東京電力はどの電力会社よりも先行して異業種との取組を進めています。供給数が一番多い首都圏は、新電力などの激しい企業参入が見込まれ、顧客に繋ぎ止めが急務になっています。安定的な収益確保のためにも、自由化される低圧ユーザーの「他社乗換」は東京電力にとっては致命傷となりかねないので、どこより先行して動いていると言えるでしょう。
■事業者情報
■提携ニュース
東京電力とニチガスが提携。電力・ガスの自由化にらみシェア拡大へ