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電力の「メイド・イン・なら」を実現させる【奈良電力株式会社】

イメージキャラクターIVANさんと山本商事/奈良電力代表取締役 山本譲二氏

奈良県内で作った電気を奈良県内で消費する。奈良県での「地産地消」による「地域貢献」を目的に、「奈良電力株式会社」(奈良県御所市、代表取締役山本譲二)が2015年6月に設立された。

母体は、砕石・リサイクル事業等を行っている山本商事株式会社(奈良県御所市 代表取締役社長山本譲二)であり、建設廃材を使ったバイオマス発電の燃料となるRPF(新型固形燃料)の製造を行うリサイクル事業や、メガソーラー事業など、再生可能エネルギーに関する知見が高い老舗で、県内の業界最大手企業だ。

山本商事グループ率いる「奈良電力」が、2016年4月に控えた電力小売全面自由化に向けて、今後どのように事業を展開するのか、山本社長に話を聞いた。

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電力事業に参入された経緯は?

安定電源の少ない奈良県での「地産地消」を実現させる

電力システム改革の目的として挙げられている「電力の安定供給」「電気料金の抑制」「需要家の選択、事業機会の拡大」の中で、最も重要視しなくてはいけないと思っているのが、「安定供給」だ。山本商事が昭和46年の創業以来、共に成長させてもらっている奈良県は安定電源が少ないため、エネルギーの外部依存が非常に高い。山本社長は、「2011年の東日本大地震がきっかけで、エネルギーについてより深く考えるようになった。」と言う。西日本でも南海トラフ巨大地震が起こるとされている。災害への備えという観点からも地域のエネルギー会社は重要。我々がエネルギーの自給自足、奈良県内での「地産地消」を行い地域への貢献ができないかと考えたのが「奈良電力」設立の経緯だ。

山本商事グループ全体で奈良県に貢献する

奈良電力の母体である山本商事で行っている新エネルギー事業では、バイオマス発電の燃料になるRPFの製造も行っており全国シェアトップ。グループ全体の使用電力の2倍を発電することを目標に、近畿圏内15か所で合計13MWのメガソーラー発電所を計画、大半が完成済み。
一般的にリサイクル事業と言っても、資源を再利用、再生する一方で膨大な電力消費に伴う二酸化炭素排出が付いて回る。それを発電で補うことが出来れば本当の意味で地球環境保全になるのではと考えた。将来的には、バイオマスの発電所や水力・風力の発電所も建設する計画があり、官民一体で進めていきたいと考えている。グループ全体で奈良県に還元していきたい。

電力小売りを実施する地域は?

奈良県から近畿圏全域へ

まずは奈良県全域を対象に供給・販売を行う。高圧・低圧含め、奈良県内の需要家に対して電力提供していく予定だ。価格面はもちろん、奈良県内での地産地消による地域活性化に貢献することを第一の目標に取り組んでいきたい。

関西圏の電力料金は全国的に見てもトップクラスで高い

度々の値上げで、関西電力管内の電気料金は全国でもトップレベルの高さだ。その点を考慮し、将来的には奈良県を含む、近畿圏への電気提供も視野に入れている。当面は、奈良県内での地産地消や地域貢献を目指して、県内への供給をメインに行うが、奈良県発の電力を広めていき、近畿圏全体へ地域貢献をしていきたい。

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今後の奈良電力の取組は?

都市ガス自由化への参入を予定している。2016年の電力小売全面自由化、2017年の都市ガス小売全面自由化など、エネルギーに関する市場は大きな変革を迎える中で、奈良電力をはじめとした電力市場に参入する事業者は、地球環境やエネルギー利用の効率化などを考慮した上で、いかにユーザーファーストなサービスを提供できるかが求められていると思う。私たちの生活とは切っても切れないエネルギーだからこそ、エネルギーを作り出すところからユーザーに届ける所までを責任を持って、提供できるよう準備を進めている。

官民一体で「地産地消」を

冒頭でも申し上げたが、奈良電力は「電力のメイド・イン・なら」を実現させ、県内・近畿圏での「地産地消」を実現することで、災害や緊急時のエネルギーによる不安を少しでも減らす、そして安定的な電力を提供し続けていく仕組みを作り上げていく事を使命としている。実現に向けては地域の自治体の協力・連携は必須と考えており、奈良県その他各所から期待と注目を受けている。「電力のメイド・イン・なら」「地産地消」が実現できるよう官民一体となって取り組んでいきたい。
また提供するサービスについても、グループ全体で顧客に対してメリットが出せるようなものを増やしていきたい。山本商事グループの各業種のお客様向けに電力の特別割引実施やセット販売など、電力でもお手伝いさせていただく事を検討している。

「奈良電力」を知っていただくためにTVCMなどのプロモーションを実施

イメージキャラクターとして、奈良県出身でモデルのIVANさんを起用したTVCMや奈良交通の路線バス266台への広告掲載など奈良県内を中心にプロモーション活動を12月から順次開始している。業界、性別の垣根を越えてマルチに活躍するIVANさんを通して、新しい領域へ挑戦する山本商事と奈良電力の企業イメージを伝えていきたいと思っている。

(energy-navi編集部・佐藤洋平)
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奈良電力株式会社
代表  :山本 譲二
設立  :2015年6月
本社  :奈良県御所市古瀬1234番の1
Web  :http://www.naradenryoku.jp/
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