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原子力発電の価値

原子力発電の必要性

経済性より安全性を重視した規制委員会の方針案はコストアップを生み出します。これについては批判もありますが、そもそも原子力発電が今日の苦境に至ったのは、「原子力発電は低コスト」という誤ったプロパガンダに起因しているとも言えます。

原子力発電のコストが低いわけではない

原子力発電は日本の電力コストを適正な水準に保つために必要である、と言う認識は間違っていません。

ですが、ここでポイントとなるのは電子力発電が低コストでの電力供給が可能だからではなく、複数の電力確保の手段を持つことで化石燃料の調達交渉や価格高騰への対応余地が広まり、結果として安定した電力供給を実現出来ると言う事なのです。

原発のもつ間接的な価値

安全性を重視した原子力発電のコスト競争力は、天然ガス火力発電に劣りますが、かかるコスト以上に間接的な経済意義があると言えるでしょう。

1つは、前述の通り化石燃料の高騰リスクへの重要な対抗手段となりえる事です。原子力発電と言う選択肢がないと調達交渉で不利な立場となる可能性があります。

もう1つは、再生可能エネルギーのコスト負担が顕在化する事です。ドイツでは固定価格買取制度(FIT)によるコストの国民負担が想像以上に高まっています。固定価格買取制度(FIT)とは、再生可能エネルギーによる電力供給を20年間などの長期に固定した金額で電力会社に買い取る事を義務付けるものです。その費用は賦課金として電気料金に上乗せされ、一般家庭を含めた電力需要家が負担する事となります。

原子力発電については、発電コストそのものより、こうした間接的な経済的意義のほうが重要だと言えます。