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加圧水型形原子炉(PWR)

加圧水型原子炉は軽水炉というタイプの炉の一つで、主に西日本で使用されています。世界でもっとも多く使用されている原子炉のタイプです。

軽水炉とは?

原子炉にはいくつかのタイプがありますが、日本では、「軽水炉」というタイプを使っています。現在、世界でもっとも広く使われているタイプの原子炉です。軽水(普通の水)が減速材(原子炉において中性子と核燃料を効率よく反応させるために用いられるもの)と冷却材(、核分裂によって放出される熱を、原子炉から取り出す役割を果たす流体)に兼用されているのが特徴で、燃料には濃縮ウランを用います。軽水炉は、蒸気を発生させるしくみの違いによって沸騰水型原子炉(BWR)と加圧水型原子炉(PWR)の2種類に分けられます。

加圧水型形原子炉(PWR)の仕組み

PWRでは、原子炉の圧力を、沸騰水型の2倍程度に加圧して、沸騰しないようにしており、原子炉は冷却水を高温にする役目を果たしています。この高温高圧の熱水を熱源として蒸気発生器でタービンを回す蒸気を発生させます。

原子炉の中で核分裂によって発生した約300度の1次冷却系の熱が2次冷却系に伝わり、2次系の水が蒸気となります。1次系は燃料から直接熱を取り出す水で、下図では薄紫色の流れとなります。2次系は下図の水色と黄色の流れで、蒸気発生器で1次系の熱をもらい、タービンを回します。2次系は燃料と直接接触していないため、放射性物質を含んでいなく、タービン等にも放射性物質が及ばないという利点があります。

開発したのは米国のアルゴンヌ国立研究所とウェスチングハウス社で、1958年に建設したシッピングポート原子力発電所が最初の炉です。日本では三菱重工が供給しています。日本における商用炉では、北海道電力、関西電力、四国電力、九州電力各社は加圧水型原子炉を利用しています。

 

出典:四国電力株式会社

加圧水型軽水炉(PWR)と沸騰水型原子炉(BWR)の比較

PWRもBWRのどちらも低濃縮ウランという燃料を使い、水で冷却している、という点では同じです。大きな違いは原子炉を冷却している水が沸騰しているか沸騰していないかという点です。また、PWRでは1次系と2次系に分かれていて、燃料に触れた1次冷却材蒸気発生器で2次冷却系に熱を伝え、2次冷却系がタービン等に流れるため、放射性物質が行き渡る範囲がBWRと比べて狭いです。BWRでは燃料で熱せられた蒸気がそのままタービン等に行き渡り、発電をします。