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事業として供給される電気の「質」とは

電気

電気の質

電力会社は発電した電力を、ビルや工場、あるいは家庭などに送って、電気料金を徴収しています。

つまり、販売され、購入されるという点では、電気にも「質の良い悪い」という商品性能が問われなければなりません。

一般の電気製品で質が悪いといえば、すぐ故障するとか、使用中に騒音がうるさいとかなどが考えられます。

同じように考えると、「質の悪い電気」とは、使いたいときに停電していたり、使っていた電気器具に誤動作を生じさせたりするものといえるでしょう。

電気の質としては、次の2つが問題になります。

① 停電が少ないかどうかという信頼性
② 周波数、電圧、電流が定められたとおりの交流の電気であるかどうか

停電をなくすという信頼性

電気の「信頼度」といえば、まず停電が少ないことです。

停電が生じることの不便さはいうまでもありませんが、電気に対する依存度の大きい日本では、社会的な影響も大きくなります。

停電は、発展途上国などでは電気の使用量に対し、発電所の発電機の能力が追いつかない場合に発生したりすることがあります。

東日本大震災以前の日本では、予想される最大の電力に対して10%程度の予備の電力が準備されていたので、このような停電は発生していません。

電力不足が懸念され、一時期計画停電などもありましたが、国民の節電意識の普及や原子力発電所の再稼働などにより、その後、計画停電などの検討離されていません。

したがって、いま停電の原因となるものは、必要な保守点検作業のために意図的に送電を止めるか、火災事故など、または台風などで電線や電柱が被害を受けるなどの事故で停電する場合に限られています。

空中に張られた送電線(架空送電線)の事故原因の大半は、落雷が引き金になって、空気の絶縁が破壊される(電気が空中に漏れやすい状態になる)ことにより起こります。

このような場合でも、ごく短時間で再び自動送電できるシステムができあがっています。

周波数を維持するためには

電気時計やモータなどの中には、交流の周波数を基に動作しているものがあります。このような機械は、周波数の誤差が大きいと狂いが生じてしまいます。

現在、周波数の誤差は0.1 ~0.2ヘルツ程度に維持されているため、これらの機械の使用には差し支えありません。

周波数の誤差が発生する原因は、電気はためておくことが困難で、発電と消費がいつも一致していなければならないことと深い関係があります。

というのも交流の周波数は、発電機の回転数によって決まるので、発電機の回転数が高ければ周波数は高くなり、低ければ周波数も低くなるのです。

発電機は、水力、火力、原子力などのエネルギーをもらって回転していますが、発電する電力の大きさはそれぞれ、発電機によって決まっています。

もし、発電機が発電できる能力を上回る電力量を消費地で使うと、発電機の回転数が下がってきます。つまり、周波数が低下します。

このように、周波数は電気の発生と消費のバランスを見るバロメータにもなるわけです。そのため、各電力会社には厳密に周波数をコントロールするシステムが導入されています。

上記に述べた2つの電気の質が電力小売りが解放され、選べる時代が来た時に重要になってくることが考えられます。