日本の系統の構成は、地域ごとの電力会社の系統を縦方向に連系線でつないだ串団子型の系統構成=串型系統となっています。
これに対し、欧米に多くみられるのは、網の目状の系統構成=グリッド型系統です。串型系統では連携が弱い一方、電気が流れるルートが限られることで連系線の潮流を管理しやすいと言う特徴があります。逆に、グリッド型系統は連系線が複数あるため連系が強い一方、電気が流れるルートが複数あることで、物理法則に従い複数ルートに分かれて電気が流れる事になるため、連系線の潮流の管理が難しくなると言う特徴があります。
また、契約ルートと実際に電気が流れるルートが異なり、極端な場合には、契約していない会社に電気が流れてしまうと言う、いわゆるループ・フロー問題が発生します。日本の電力系統も関西電力-四国電力間、および中部電力-北陸電力間が直流で結ばれたことにより、見た目は串型ではなくなりました。しかし、直流による連携は電気が流れる量を自由に調節することが出来る事から、連系線の潮流管理も串型系統と同様に容易で、ループ・フロー問題も発生しません。