100年間で技術やテクノロジーは著しい発展を見せました。
その代償として地球温暖化や酸性雨などの環境問題が深刻化し、我々の生活を脅かすレベルになっています。
結果として、技術の進歩、生活のコンビニエントさと引き換えに生活ができなくなるかもしれないというのはあまりに皮肉な気がします。
環境問題とテクノロジーの進化の相関に関しては、諸説あると思いますが、1つ間違いなく言えるのは、私たちが培ったテクノロジーと技術を武器に環境問題と対峙する時代が来ているということです。
日本でも様々な試みがされていますが、今回は隣国、中国がどのような政策を行っているか、紹介したいと思います。
中国のエコロジーの概要
中国は再生可能エネルギーの導入において世界の先頭を走っています。
風力発電では、合計発電量は41.8GWの発電設備となっていて、世界一の風力発電を誇っているのが現状です。
ではどのように中国は再生可能エネルギーを普及させているんでしょうか。
まず中国では「再エネ法」というものがあり、それによって、送電会社に対して全量買取義務が課される一方、発電会社にも一定比率の再エネ発電設備の保有が義務化されたことなどにより、急ピッチで開発が進んでいます。設置ベースでみると、発電設備容量は2005年に186万kwであったものが2012年に7500万kwを超え、7年間で40倍以上になりました。
しかし問題点も多くあり、完工した風力発電所の30%ほどが送電系統に連携されているわけではなく、送配電会社に売買できないケースが増えています。
そのため中国政府は送配電会社に迅速な対応を求めています。
中国での太陽光発電
さらに太陽光発電の利用も加速しており、現在世界トップを誇っています。
これまでは製品輸出が主で国内開発はそれほど進んでいませんでしたが、ここ5年ほどで導入が進んできました。
これは中国政府の支援策も寄与しています。
中国政府は2009年、国内での商業開発を進めるために「太陽光発電一体型屋根普及計画」を、太陽光発電のモデル事業を推進するために「金太陽モデルプロジェクト実施に関する通知」を発表しました。中国政府は、財政支援、電気料金の優遇などによって、大型工業や商業施設、公共機関、未電化の辺境地区などで太陽光資源の豊富な地区において、太陽光発電モデル事業を重点的に支援していくというものです。
さらに中国には世界的にも大規模な太陽光発電機器メーカーがあり、サンテック・パワー社など大手5社が海外に進出し、世界のシェアの65%を占めているという事実も太陽光発電の発展に影響しているのは明白でしょう。