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世界の電力自由化 ~アメリカ編 ② 停電の歴史~

電力自由化 アメリカ

大規模な停電

2011年の東日本大震災後、計画停電という言葉が話題となりました。

それまでの日本での電力供給体制は盤石なもので停電を日常生活で意識することはありませんでした。

しかし、電力の発電量が安定していない発展途上国だけでなく、欧米でも大規模な停電が過去何度も起きています。

今回はアメリカの停電の歴史を見てみましょう。

1965年の北アメリカ大停電

1965年11月9日、ニューヨークを中心としてカナダまで大規模で停電が発生しました。

停電期間13時間、影響人数3000万人と当時最大の停電となりました。

暖房設備によって需要が増加していた冬季の停電だったために、被害は拡大しました。

これを教訓にしてNERCが結成されるなどアメリカ全土で電力に関する注目が高まりました。

原因は、カナダのナイアガラ地区にある発電施設の電源が落ち、そこからの電力供給がストップしたことでした。

電源が落ちた原因に関しては現在でもいくつかの説が唱えられ、絶対的なものは見つかっていません。

1977年のニューヨーク市大停電

1977年7月13日、ニューヨークの大半と周辺市において停電が発生しました。

停電時間26時間、影響人数900万人となりました。

マンハッタンなどニューヨークの中心部でも長時間にわたって停電が発生し、帰宅難民がホテルに押し寄せたり、電気のつかない夜間の略奪などの犯罪が多発したりとニューヨーク市内は混乱に陥った。

原因は発電所への落雷であったと公式に発表されています。

2003年の米国東北部停電

2003年8月14日にニューヨークデトロイトなどの大都市を含む広範囲にわたって停電が発生しました。

停電時間43時間、影響人数5000万人と最大級のものとなりました。

電力自由化後、初めての大規模停電だったために日本でも大きく報道されました。

原因は、送電線業務が分社化され送電線のメンテナンスがずさんになっていたことと、新規参入企業の需要予測が甘かったことでした。

 

このようにアメリカでは何度も大規模停電を経験してきました。

日本でも2016年以降電力の自由化が進むと2003年の大停電のような事件が起きるかもしれません。

ただ、送電線に関しては国がきちんとした基準を設定することを発表しているので、アメリカほど大規模な停電は起こらないと考えて良いでしょう。

 

参考URL

http://www.mitsubishielectric.co.jp/shoene/learning/kouza/vol04/index03.html

http://energy.rakuten.co.jp/blog/news/20140327_1742