アメリカにおける電力の歩み
広大な大地を持つアメリカでは全土にわたる電力の安定供給は急務の課題でした。
都市部における歴史的な大規模停電を機にアメリカの電力事情は大きく変わりました。
電力の安定供給を目指す
1965年、ニューヨークを中心にアメリカ東北部で大規模停電が起こりました。
復旧までに13時間を要し、アメリカの電力供給に対する信頼は失われました。
そこで、電力の安定供給と信頼回復を目指して、1968年にNERCという電力供給に関する基準や規制を作る組織が結成されました。
この組織は現在でも電力供給の信頼維持に貢献しています。
自由化による競争促進
1990年代に入るとより安定した電力の供給と活発な競争市場の形成を目指して、送発電設備を持たない企業も電力供給市場に参入できる体制を作るべきだという議論が活発になりました。
これを受け1992年にエネルギー政策法が制定されました。この法律によって送電線が解放されどんな事業者でも送電線を利用して託送供給が行えるようになりました。
新規参入業者が激増し、競争は活発になりました。一方で、多くの企業が電力供給にかかわる形になったため、市場を複雑化させてしまいました。
小売電力の自由化の開始
1998年にマサチューセッツ州が全米で初めて小売電力の自由化を実施しました。
それに続き多くの州で自由化が検討し、現在では15州とワシントンDCで電力供給市場が自由化されています。
その他、海外における電力自由化に関する歩みは以下の記事をご覧ください。
世界の電力自由化~韓国編~
世界の電力自由化 ~アメリカ編 ② 停電の歴史~
世界の電力自由化 ~アメリカ編 ③ カリフォルニアの電力自由化~
参考URLhttps://eneken.ieej.or.jp/data/pdf/1263.pdf