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ライフサイクルエネルギーという発想

ライフサイクルエネルギーという発想

 

ライフサイクルエネルギーという言葉を聞いたことがありますか?省エネを実行する場合にとても重要になる言葉ですが、私たち一般消費者には余りなじみがありません。

 

ライフサイクルエネルギーとは

ライフサイクルエネルギーというのは、一言で言えば、1つの製品の誕生から廃棄までに使われるエネルギー量のトータルを言います。「ゆりかごから墓場までのエネルギー」という人もいます。いずれにしても、省エネを考える場合、製品のエネルギー効率だけでなく、製品そのものに使われているエネルギー量を考慮する必要があるというわけです。

 

お米のライフサイクルエネルギー

私たちに身近な食品を例にとりましょう。例えばお米の場合、お米には、まず、田植えから除草、稲刈りまでに多くの農業エネルギーが使われています。さらに、お米の流通、保管、さらには輸送、販売、そして私たちが家庭で食べる時の調理エネルギーなども使われています。それだけではありません。食べた後の廃棄エネルギーも考えなければなりません。廃棄エネルギーは、食べ残し、時間が経過したため廃棄されるものなど、いろいろなケースが考えられます。これらをトータルしたものが、ライフサイクルエネルギーなのです。

 

摂取エネルギーの4倍ライフサイクルエネルギーを消費

農林水産省の調べによると、お米のライフサイクルエネルギーは1kgにつき6330kcalです。パンの場合は9510kca、麺類は1万5040kcalと、いずれもお米のライフサイクルエネルギーよりも多くなっています。これは、パンや麺類などの場合は、加工や流通に要するエネルギーがお米に比べて格段に多いからです。私たちがご飯を食べると、100gで168kcalのエネルギーを摂取することになります。1kgだと1680kcalになります。お米を生産、流通するためのエネルギー量は、私たちが摂取するお米のエネルギーより、何倍も多いことになります。

食料、食品に投入されている多くのエネルギー、すなわちライフサイクルエネルギーが使われているこを考えると、食べ残しや食品の廃棄などは極力控えなければなりません。

 

電化製品にもライフサイクルエネルギーの発想を

現在は、電気製品の場合、私たちが購入する時には、その製品のエネルギー効率のよしあしを調べて購入し、製品そのものに要したエネルギー量はあまり考えませんが、今後電化製品そのものの消費エネルギーだけでなく生産、廃棄も含めたエネルギーの総量が課題となってくるかもしれません。

今後の企業の省エネ戦略に注目していきましょう。