マイクログリッドがなぜ国際標準化の論点なのか
急速に高まるマイクログリッドの需要
最近、スマートグリッドに係わる国際標準化の焦点はスマートメーターからマイクログリッドに移りつつあります。
スマートメーターは人体に例えると感覚器、AMIは神経系統になりますが、マイクログリッドのコントロールシステムは、頭脳と筋肉につながる神経系統と認識されてきており、マイクログリッドとしての標準化が急激に重要視されるようになりました。アメリカの標準化の検討会議であるSGIP(Smart Grid Interoperability Panel)や、国際標準化機関であるIECにおいてマイクログリッドが議題として取り上げられはじめています。
日本では、地産池消のシステムとしてマイクログリッドは、電力会社の系統とは別の小規模の需要側系統として理解されていますが、欧米では早い段階から、電力会社の系統を分割管理する方法として注目していました。
各所での動き
デンマーク
例えば、デンマークの系統運用者エネルギーネットに統一される前のユトランド半島側の電力会社であったエルトラは、このエリアの主力電源が大型火力発電から、風力、コジェネレーションに移行していったために、電力会社の中央給電指令所は数千の分散型電源を管理せざるを得なくなってきました。その際に、系統の管理範囲を細かく分割して、あたかもマイクログリッドの集合体として運用することを2007~2008年ごろ、提唱していました。
ニューメキシコ
ニューメキシコの小規模班田電力会社である、ロスアラモス群営電力も、系統に再生可能エネルギーを大量導入するうえで、マイクログリッド型の運営にすることが重要だと判断し、経験のある日本と組んでの実証に踏み込んだと言う経緯があります。
このようにマイクログリッドは、分散型電源が大量導入される未来の系統において、確実な系統管理を行う上でのキーテクノロジーとして注目が集まっています。