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ピークシフト

 

概要

ピークシフトは、直訳すれば、ピーク時の需要の波を平準化してなだらかにするという意味です。エネルギー分野でこの言葉を使う時は、電力需要の平準化を意味します。電力の需要曲線をグラフで描くと、例えば、1日のうちでは、夜間に需要の波が低く、朝から昼間にかけて波が高くなります。夕食時の午後5時頃には電力需要がピークとなります。また、夏の猛暑日の場合は、お昼過ぎの午後2時~5時頃にピークを迎えます。

ピークシフトの必要性

1年間を通してみると、春、秋は比較的需要曲線がなだらかですが、真夏には、エアコン、クーラーなどの消費が急増するため需要の波がピークとなります。また、1月~2月の寒い時期にも、暖房利用が高まるため、ここでもピークの波が見られます。需要曲線の波の高低が激しいほど、発電設備を余分に作っておかなければなりません。年間の僅かな時期のため設備を用意することは、設備の利用効率としてはとても悪く、電力会社にとっては無駄なコスト負担となります。発電設備を用意しないまでも、既存の設備の運転で、出力を上げたり下げたりすることも運転コストの負担となります。電力会社のこうした設備や運転のコスト負担の増大は、最終的には電気料金の上昇につながり、家庭の電気代にしわ寄せされます。

電力需要のピークシフトは、一般家庭にとっても大変需要な事柄なのです。工場など電力を多く消費する分野では、すでに電力の自由化が実施され、電力会社との契約で、需要のピーク時には、電力消費を抑える半面、電力料金を割り引くなどの対応がとられています。一般家庭では、2016年4月から、小売電力の全面自由化が実施され、小売電気事業者によっては、そうしたピークシフトと割引料金をセットにした新しい料金メニューが登場するかもしれません。 現に、現在の電力会社の料金メニューでも、夜間割引や、季節別時間帯別料金メニューを用意しているところが多くあります。これらはいずれも、電力のピークシフトに配慮したメニューなのです。ピークシフトは、電力会社にとっても、家計にとっても、重要な対策といえます。