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コミュニティ・エネルギーの発展 3

コミュニティ

地域参加型の日本版コミュニティ・エネルギー事業

しかし、地域のエネルギー事業はビジョンだけでは実現しません。

誰が担い手になるか、あるいは担い手をいかに育成するかが重要な課題です。また、FIT制度を活用するにしても、地域振興につなげるには、エネルギー事業の運営から生まれる収益が地域に確実に還元される構造を作らなければなりません。

地域にメガソーラー事業を誘致したものの、設置者の多くが大都市の大企業であるならば、事業から得られた収益は彼らの手に渡ることになります。

地域が手にするのは土地の賃貸料でしかなく、雇用も限定されます。

したがって、地域主導で事業を手掛けることが望ましいのですが、地元企業の力だけでは、再生可能エネルギー事業を立ち上げ、収益を地域に還元する仕組みを作るのは難しい場合が多いです。

 これからの課題

いま日本の各地域が考えなくてはならないのは、自治体が地域のエネルギー事業を支援するための技術や事業の知見を持っていないため、エネルギー事業の知見を有する域内の企業と将来にわたって地域事業の担い手となる域内の企業が連携するためのフレームワークを作る、と言うことです。

フレームワーク作りで必要となるのは、技術面の知識だけではありません。

たとえば、風力発電事業では、場所の選定、風車の選定、EPC事業者の選定、発電量・収益予測、アセスメントを含む各種法規制への対応、地域住民などの利害関係者からの理解の獲得、ファイナンス、設置、系統との接続、メンテナンスなど、非常に多くのノウハウを必要とします。

どんなに風力資源が豊富でも、それを生かすためには、こうしたノウハウや知見を持ち合わせた専門家と事業意欲のある地域の企業を連携させる場を作らなくてはいけません。

自治体は公共事業、PEIのような官民協働事業を手掛けてきたので、こうした連携をコーディネートするための潜在力はあるはずです。