火力発電でも、水力発電でも、どんな発電方式でもエネルギーを変換して電気を作り出しています。
火力発電では蒸気を発生させてそれによって発電します。
水力発電は水の流れを使います。
しかし、地球上では様々な力が加わってしまうためエネルギーを100%変換することはできません。
エネルギー変換効率とは
エネルギー変換効率とは「エネルギー」を「変換」する効率のことです。
具体的に、考えてみましょう。
火力発電所を想像してみてください。
火力発電所では蒸気を起こしてタービンを回して発電を行っています(「火力発電の仕組み」参照)。
燃料を燃やして熱エネルギーに変換してその熱でお湯を沸かします。
そして、お湯からでた蒸気の運動エネルギーを回収して電気にしています。
つまり、2回エネルギーの変換を行っている事になります。
まず、燃料を熱エネルギーに変換して水に伝える際にロスがでます。
熱は100%水に伝わるわけではなく大気中に放出されるからです。
また、蒸気に関してもタービンに力を伝えずに放出されてしまうものがあります。
このロスがどれぐらいの割合で発生してしまうかが、このエネルギー変換効率の考え方なのです。
エネルギー変換効率の高い発電
一般的に、再生可能エネルギーは全体的にエネルギー変換効率が低くなっています。
人口的に作られた設備の中でできるだけロスを少なくするように設計されている発電に対して、再生可能エネルギーの発電設備は自然の中にあります。
もし、風力発電のエネルギー変換効率が100%なら風力発電の設備の後ろは必ず無風になり、太陽光発電のエネルギー変換効率が100%ならソーラーパネルの後ろに熱は伝わらないことになります。
発電設備の新旧や場所、規模によって同じ発電方式によってもばらつきがでてしまうのですが、火力→水力→原子力→風力→太陽光の順にエネルギー変換効率が低くなると言われています。
電気は燃料を使った時点からロスが出て減り続けます。
このロスをいかに減らして有限の資源を活用するかが今後の課題となりそうです。