「“クーラー病”ってなに!?」
クーラー病の原因
クーラー病は冷房病とも呼ばれ、冷えた室内と外の気温差によって生じる病気です。5℃以上の差がある場合が起こりやすく、特に“女性に多い”とされているのが特徴です。理由は、自律神経やホルモンが関係していることにあります。
人間の身体は、体温を常時一定に保とうとする働きを持っています。例えば、クーラーが強く効いた社内で事務仕事をしているとします。ここでは、冷えの環境によって体温を下げないように、自律神経が血管や臓器の“保温”を促している最中です。
ところが、昼休憩などで一歩外に出ると、その急激な温度変化を受けて、急ピッチで保温状態を調節しようとします。具体的は、血管を拡張させ体温を下げようとする働きをすることになります。暑いところへ出たときに“ふらっ”とするような違和感を覚えたり、汗をかいたりするのはそのためです。
長い時間強い冷房環境に居ればいるほど調整の“振れ幅”が大きくなるので症状も強く出やすい、と言うことになります。
具体的な症状はどんなこと?
クーラー病の具体的な症状は人によって様々です。起こりやすい症状として、頭痛・腰痛・肩こり・むくみ・食欲減退・不眠・めまい・吐き気、などがあります。自律神経とホルモンは密接に関係しているので、女性には“生理不順”の症状が出る人も珍しくはないようです。
深刻な場合は慢性の冷え性にもなりかねませんので、今悩んでいる人は早めの対策が必要です。これらの症状を緩和するための工夫を後で紹介するので、是非参考にされてください。
エアコン内の“カビ”が原因で起こる病気
カビが原因となるメカニズム
健常者の体内に侵入したカビは、通常すぐに死滅します。しかし、身体の免疫力が弱っていたり、風邪を引いていたりする場合は、死滅せずにカビの胞子が留まってしまうのです。このカビの胞子が健全な細胞を攻撃することをしたり、増殖したりすることで人体に有害に働くことになります。
かかってしまう恐れのある病気について
代表的な病気は、“カビ肺炎”と呼ばれるものです。エアコンを使用する夏の時期(6月~9月)に多いことから“夏型肺炎”とも呼ばれます。症状としては、長く続く咳・喉の痛み呼吸困難・腹痛などが挙げられます。放置し、悪化すると慢性になり、肺や喉の機能そのものが弱まってしまう場合もあるので注意が必要です。
症状が一般的な風邪と似ているので、勘違いしやすいところが厄介な点なのですが、「家や職場に居る時だけ症状が出る」というのが気づきやすい特徴の1つです。この特徴に思い当たる場合は、病院に行くことと兼ねて、次に紹介する対策を試されてみてください。
誰でもできる!それぞれの対策法について
クーラー病の対策
明日から簡単にできる対策をまとめてみました。
・エアコンの風に直接当たらない場所で過ごすことで発症を予防
・ひざ掛けやカーディガン、厚手の靴下などで冷えを予防
・毎日10分~15分の適度な運動で健全な神経とホルモン働きを促す
・生姜や緑葉野菜など栄養素の高い食べ物を積極的に摂る
・38℃ほどの湯船に15分~30分つかり、代謝と血流を促す
以上5つが、日常生活で実践できるクーラー病対策です。
エアコンの“適切な使用”によって肺炎を予防
エアコン内部にいるカビ(トリコスポロン)は、カーペットや畳、窓枠など湿気の多そうなところに付着し増殖します。こうした理由からも、何より“掃除”がもっとも大切な予防策と言えるでしょう。
エアコンは全体の掃除が難しいので、フィルターだけでも水洗いすることをおススメします。フィルターを掃除することで、カビの温床除去と増殖を抑えます。さらに、窓の結露を拭き取る、不衛生な床の状態を改善するなども、有効な対策と言えます。
エアコンをはじめとして、身の回りの物を清潔な状態に保ち適切に使うことは、様々な害から身を守ることにつながるのです。