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イギリスのEU離脱、どうとらえる?

先日行われた国民投票によりイギリスのEUからの離脱の方針が決定。

それに伴い、全世界で株価や通貨の激しい変動が起こり、特に投票結果が出た時間帯に唯一市場が動いていた日本では大きな影響を受けることとなりました。
何故イギリスはEUを離脱する事を選んだのか、そして、何故離脱によって世界中に影響が出たのでしょうか?
様々な視点から原因を説明していきたいと思います。

なぜ離脱したの?

大きな前提として、移民の問題があります。
イギリスでは低所得者層向けの仕事が移民に奪われているという現状があり、更にEU加盟国間での移動が自由に行える制度の関係上、自国だけ移民を制限することが出来ません。

離脱派の意見

移民によって仕事を奪われている人達が離脱派には多いのですが、もう一つ移民に関する大きな問題もあります。
それは、生活習慣や民族の違い。
今までイギリスで生まれ育った人達が大半だった街に、多くの移民が流れ込んだ結果、住民の人種バランスが大きく崩れる事になりました。
今まで住民の9割がイギリス人だった比率が、6割程度にまで減少してしまった事例もあります。
元々一割だった移民も、白人系移民が多かったためあまり目立たなかったのですが、最近は中東系の移民が増えたため、町の風景が一変してしまいました。
更に、ISのテロリストが移民に混じっているとされる問題や、世界中で発生しているIS関連のテロなどの問題もあり、一刻も早く移民を制限する必要があると考えたのが離脱派の意見です。

残留派の意見

こちらも移民の問題についてはかなり頭を悩ませているのですが、それ以上にEUに参加している利点を重視しています。
やはり、加盟国同士で貿易や通行がほぼ自由と言うのは経済的に大きな理由になります。
その為、離脱派が安全、安心を最優先にした高齢者が比較的多いのに比べ、経済的な理由を優先する若い人たちは残留を希望する比率が高くなっています。
ただ、残留派として投票した人達も、現在のEUの方針には反対している場合が多く、どちらにせよ移民の問題などは早急に解決するべきと考えられています。

離脱の影響は?

離脱決定に伴い、世界中で大きな影響があったのはご存知だと思います。
しかし、本番はこれからです。
この後起こる影響を予想してみましょう。

イギリスへの影響

まず、EUに加盟するにあたって支払われていた費用が必要なくなるため、国家予算に余裕が生まれます。
これは、離脱派の大きなウリだったのですが、どこかの国の埋蔵金選挙と同じく、実際にはかなり少額だった事が既に判明しています。
その他にも、入出国に関する法律を自国で決められるようになるので、移民の問題もひとまずは解決するでしょう。
それに伴い、イギリスの仕事をイギリス人が得られるようになるため、失業者の問題などは改善されると思われます。
逆に、EU相手の貿易で今まで恩恵を受けていた部分では大きな問題が発生するとみられます。
今までは関税はほぼ無かったのですが、これからはある程度の関税が設定されるでしょう。
そうなると、フランスなどの農業国からの食糧輸入や、イギリスからの輸出は大きなダメージを受けるでしょう。

世界経済における影響

今まではEU内での輸出入はほぼ自由だったため、海外メーカーで現地生産を考えた場合、EUのどこの国に工場があっても、大きな違いはありませんでした。
しかし、イギリスが離脱する事により、こちらも余計な関税を取られる可能性が考えられます。
現在イギリスに施設を置いている企業などは、他のEU圏への移転を考えるでしょう。
そうなると、国をまたいだ設備の移転となりますので、人材的、費用的にも大きな負担となる事が考えられます。
それに伴って業績の悪化する企業が多くなることも想定されており、金融・株式の世界では既に予測をもとにした取引が行われています。

日本にはどんな影響があるの?

イギリス離脱の影響を一番最初に受けた日本の市場ですが、実際にはどの程度の影響があるのでしょうか?

円高

日本で使われている円は、他の通貨に比べて安定していると言われています。
それは、基本的に国としての安定、経済の安定などが他の国家、通貨と比べて安定していると考えられているためで、世界的に経済が不安定になった場合、投資家が優先的に資産を円に換える傾向があります。
今回は、イギリスが離脱する事により、イギリスの通貨であるポンドと、EUの通貨であるユーロの相場が乱れる事が懸念されました。
EUの不安としては、イギリス以外の国の離脱によるEUの解体が想定されていますし、イギリスはこれから経済的にある程度悪化する可能性が高いと考えられています。
その為、通貨が一気に下落する危険性が少ない日本円に投資家の資産が両替されました。
品物であれ通貨であれ、人気の商品は高くなるのが取引の基本ですから、円を求める人が増えるほど円高は進行していきます。
今回の円高は日本国内の問題ではなく、殆ど流れ弾のような形で発生したものですので、国内で責任を問う事は難しいでしょう。
これから先、貿易関係でのイギリスとEUの交渉が控えていますが、その結果次第で更なる円高になる可能性もあります。
投資を考えているなら、ある程度安定するまで通貨関連の取引は控えた方が得策かもしれません。

輸出産業(自動車・電気機器)

こちらの方が日本にとっては頭の痛い問題です。
日本は基本的に、作ったものを国内で使う内需の比率が高い国ではありますが、経済の規模がかなり大きいため、輸出で得られる利益もかなり大きなものとなっています。
円高になると、海外販売で手に入れた通貨を日本円に両替した場合、円安に比べて得られる円が少なくなってしまいます。
となると輸出を行っていた企業では今までより利益が減ってしまいます。
海外工場を持っている企業でも、イギリスに工場を持っている場合、EU内での販売価格が上昇する可能性が高く、収益面で影響を受けるかもしれません。
幸い、日本企業は数年前の超円高で培った経験がありますので、ある程度影響を受けても対応は可能でしょう。
しかし、これが長期間にわたってずっと続くとなると、多少は経営が悪化するかもしれません。

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