都道府県が主導する全国初の地域電力会社「やまがた新電力」が発足しました。4月1日からの電力自由化に合わせて、やまがた新電力も電力供給事業を始めます。
電力の地産地消
山形県は東北電力の管内でしたが、山形県が主導で新しい電力供給源を山形に作り、県内の再生可能エネルギーで発電された電気を買い取り、原発由来でない電力の供給を目指していきます。
一般家庭への売電はまだ発表されていませんが、将来的には可能性がある見込みです。
売電価格は東北電力に比べて1割引きに設定し、買い取り価格は固定価格買取制度による単価に1kwhあたり0.1円を上乗せするとしています。また、発電事業者の売電先、県有施設の電力供給源は東北電力から切り替えてもらう方針です。
災害対応力の向上
地域密着の電気供給源を作ることによって災害時に電力を確保しようという意図が込められています。大きな電力会社に頼るのではなく、地域で電力を持つことによって地域に力を与えようという動きがでてきています。
しかし、このやまがた新電力の災害対策には懐疑的な意見もでています。
地域が電気を買い取り、売電していく中で、やまがた新電力は独自の配電線を持っていません。そのため、災害で東北電力の配電線が不能になれば、やまがた新電力の電気も届けられなくなるということになります。
また、再生可能エネルギーを使うことを発表しているやまがた新電力ですが、再生可能エネルギーでの発電はコストが高く、電力量が増えれば増えるほどコストがはずむ計算になります。
いくつか懐疑点はあげられますが、初めての県主導の電力会社なので期待はできそうです。