世界が注目する環境未来都市
2011年3月11日に発生した東日本大震災は、日本のエネルギー供給構造の基本、すなわち大規模集中システムの弱点をさらけ出しました。日本経済の発展の基盤であるエネルギー供給をより分散し、かつ安定したものに変革していくことは必要不可欠です。また、少子高齢化への対応や、経済活性化を通じた雇用増、すなわち新しい産業の創出を図ることも必要です。
さらに世界に目を向けると、気候変動問題への対処として他の先進国と協調して少しでも低炭素な社会を築くこと、今後経済成長が著しい新興国のエネルギー制約を解除し、共存共栄の環境に優しいグローバルな社会を形成することは日本の外交的使命とも言えます。
こうした我が国を取り巻く課題は相互に関連しており、これをエネルギーとICTを使用して同時に解決していけるのがスマートコミュニティです。
スマートコミュニティの必要性
ここでどうして「コミュニティ」での取り組みが有効かについて考えてみます。
まずエネルギー供給面ですが、今後分散型による安定な体系、すなわち従来よりもより小型な電源であるコジェネレーションや太陽光、風力などを組み合わせて地域単位で需給バランスが取れれば、大規模電源からの送電が無くても停電のない十分な暮らしが送れるでしょう。
また、少子高齢化社会では、地域単位での高齢者や子供のサポート体制やコミュニケーションが重要であり、医療も含めた便利でインライ性の高いサービスの供給がより重要になってきています。
省エネルギーについては、日本のエネルギー消費の伸びは民生部門が主体であることがはっきりしています。
このため、例えば複数の家庭やビル単位でのエネルギーの有効利用といった取り組みが重要となります。
スマートコミュニティは、近未来のあるべき社会像を語る上で非常に重要なまとまりであると言えます。