電力自由化の目標はどのような手段で達成されるのか
前回の記事では、電力自由化の目標である
「分散型電源と、独占体制を廃止し全国に対する配電を実現すること」に関して説明させていただきました。(前回の記事はこちら)
目標を達成する方法として、新規事業者の流入、と新電線の敷設を紹介しましたが、
それらの方法によってどのように目標が達成されるのか、具体的に書きたいと思います。
分散型電源の達成
前回最後に書いたように、新規事業者の流入によって達成されます。
新規事業者が電力業界に入ることで、発電所が分散します。従来の体制では、発電所が一か所に集中しています。
例えば、2015年4月9日現在、東北地方全体の使用電力予測は970万Kwなのに対し、福島第一・第二原発の電力供給量は1000万Kwです。
この2か所の原子力発電所だけで、東北の使用電力を賄えるのです。
そこに新規事業者が入ることによって、発電所を分散させることができます。
全国に対する配電の達成
新電線の敷設によって達成されます。
もともと、東日本と西日本では周波数が異なるため、一方から他方に対して電力を送るためには変電を行う必要がありました。
変電できる電力量は100万Kwと限られています。この制約によって、送りたいときに送りたいだけの電気を全国に送ることはできませんでした。
しかし、新電線の敷設によってこの課題が解消されます。そのため、周波数を気にせず電力を全国に送ることが可能になります。
以上のように、分散型電源と全国に対する配電という目標は達成されます。
これらが達成されることで、大災害が起きたとしても、3.11のように深刻な電力不足は避けることができます。
電気料金が安くなるばかりでなく、電力自由化にはリスクを回避できる側面もあるのですね。
参考:http://nonukes.exblog.jp/20586666/